大分県立佐伯鶴城高等学校

素数の性質

学校・学年

高等学校
大分県立佐伯鶴城高等学校

発表形式

レポート・論文

研究の概要

素数の規則性を見出そうとした。ウラムの螺旋やハニカム螺旋などのパターンを学び、素数列の一般項を考える研究を行った。4つの研究を通して、いろいろな発見があったが、素数の規則性につながる決定的な発見には至らなかった。

生徒のアウトプット

実践の背景
研究背景
素数には様々な謎があり、私たちはその謎の虜になり、少しでも新たな発見がしたいと思いこの研究を始めた。

研究目的・意義
素数の謎のひとつである素数の並びに規則性を見つけて、ウラムの螺旋やハニカム螺旋のような模様を発見し、素数の並びの一般項を考えようと試みた。
調査・研究内容
研究1
 方眼紙の中央から、自然数を内側から外側へと時計回りの螺旋状に書き並べて素数に色をつけた。最初の数を0,1,2,3,4,5,6,7,8,9と一つずつずらして書き始め、素数のマスに色をつけて模様の確認をした。研究1の考察としては、思うような模様にはならず、模様からは規則性を発見することができなかった。
 そこで、自然数を書き並べるのではなく、座標平面上に素数の座標をプロットする方法(研究2)と、素数ではない合成数を分析する方法(研究3)で、素数の規則性を見つけていくことにした。

研究2
 座標平面上で、素数を(2,3),(3,5),(5,7)…のように横軸,縦軸の順番に座標としてプロットし回帰分析を行い、直線近似した。このとき直線が y=x に近づいてきたのでプロットする点が増えるほど y=x に近似されると予想した。また、この時近似してできた直線から大きくずれる点があり、その点の関係性を調べるために表計算ソフトを利用し、隣り合う素数どうしの差を求めることで、素数出現の規則性を見つけようとした。
研究2の考察としては、225組の座標のプロットを行った結果、直線の傾きは現時点で1に近づき、 𝑦 切片はだんだん大きくなって6に近づいた。プロットした座標を拡大すると、直線に対してところどころずれている点があった。他の点はx座標とy座標の素数の差が平均して2~7の間に収まっていたが、そのずれている点はその差が2ケタ以上のものであり、約300おきに現れていた。そこでこの飛び出ていた点の規則性を見つけるために表計算ソフトを利用して隣り合う素数の差を出した。座標平面上の回帰分析では約300おきに現れていた点も、差で確認するとたくさんあることがわかった。

研究3
合成数に着目し、自然数を6の剰余類を利用して素数の出現をコントロールしようとした。6の剰余類が直線上に出てくる並びを作ると、素数がその直線上に集まった。その直線の数の並びを式に表した。
研究3の考察としては、剰余類で合成数になるところには素数は現れないので、6の剰余類を使って素数の出現をある程度コントロールすることができた。

研究4
メルセンヌ素数に関係する完全数に着目した。完全数には奇数は存在しないことを背理法で証明しようとした。完全数の定義から、奇数の完全数が存在すると仮定し、素因数分解した約数の条件などを考慮し、そのような数が存在しないように証明を試みた。
研究4の考察としては指数が全て偶数の場合のみ証明が完了した。今後は指数に奇数が含まれる場合の証明を今回行った背理法以外の方法も用いて証明を進めていきたい。

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