大分県立盲学校1年2年3年

ブタの眼球の解剖実験〜「わかる」「つたえる」「つながる」ための生徒実験〜

使用したICT機器

[機器]
タブレットモニター

[教師が使用したツール]
デジタルソフト
[生徒が使用したツール]
デジタルソフト

学校・学年

高等学校
大分県立盲学校 1年 2年 3年

教科

理科

授業の内容

「生徒同士で話し合う」「自分の考えを他の生徒に伝える」等の学び合いの場面設定のため、「科学と人間生活」(「ヒトの生命現象」の「眼の構造とはたらき」)、「生物」(「生物の環境応答」の「視覚器」)を、学年を超えて合科的に実施した。

実物模型だけでなく実物に触れながら、生徒が主体的に観察・実験することで深く「わかる」ために、iPadは実験中の手元を映す拡大鏡として利用した。自分が行ったことや分かったことを「つたえる」ために、全実験操作を生徒数で分割し、ジグソー法のエキスパート活動の形で実験を実施した。その上で「つながる」ために、実験レポートはオンライン課題(Teams課題、ルーブリックによる100点法で採点)とし、完成したレポートを授業担当者以外からの評価も得られるように設定した。

ICT活用のポイント
(工夫したところ、苦労したところ 、成果、課題)

ICT活用のポイント
・授業中に他者の意見を聞いたり、それに対して自分の意見を言ったりする「つたえる」場面がかなり限定的になる。その点を解消するために、Teamsの課題機能やコメント投稿機能を活用した。
・授業時間以外でも教員が進捗状況をSharePointから確認、助言を可能とするために、実験レポートは個人のデバイスではなくTeamsのファイルに保存した。
・iPadを三脚に固定し、カメラのフォーカスを固定することで、手元を拡大しながら生徒は一人一人の見やすさにあった環境で解剖することができた。拡大鏡アプリでの拡大率が個々の見え方に合わない場合は、カメラアプリの利用が良い。
・キーボードに表記された句読点の弁別が容易になると、生徒のタイピング速度が上がる。そのために、入力の補助となるような突起のあるシールを句読点のキー、英数・かなキーに貼った。

実践を終えての感想

【生徒の変化】
・触覚教材を用いた眼球の構造の学習知識はおおよそ定着しているが、模型だけで終わらせずにブタの眼球の解剖をすることで手触りや自分が思っていた構造と異なることの気づきが生まれていた。特に、強膜の弾力、触覚教材では容易に取り出せていた水晶体や角膜が、実物の眼球では取り出すこと自体がかなり困難であることに驚きの声をあげていた。また、前半球から水晶体を取り出す際のプチプチとした手応えで「そういえば,水晶体には何かくっついていた」という発言があり、チン小帯の存在を想起していた。このように、ICTを活用することで生徒実験が可能になり、触覚教材での学びを自ら振り返ったり深く思考したりする「わかる」につながっていた。
・実験レポートの返却時は、生徒は点数確認のみになりがちであった。しかし、他者に広く「つたえる」「つながる」ためにTeams上で授業担当者以外からのコメント評価を実施すると、生徒は授業担当者以外(専攻科の教員)から投稿された評価コメントを読み上げ、「専攻科の先生から評価をいただくのは光栄です。」と言っていた。

【今後チャレンジしたいこと】
・「わかる」「つたえる」「つながる」ためには,生徒実験は有効な手段である。教師の助言を聞きながら、生徒自身が驚きや気づきを言葉にしながら、複数の生徒と関わりながらの、 3つの「ながら」が揃うことが重要であるため、Teams会議などを活用して同年代の高校生と共に学習する機会が設定できれば良いと思う。
・実験レポートのほか、単元まとめなどでも同様に活動を行い、ポートフォリオとして利用できるようにしたい。
・実験レポートは教員がフォーマットを作成し、生徒はそれに沿って実験レポートを完成させた。今後は、生徒自身の手でサポートを作成できるようになると、学習内容の定着はもちろん、生徒自身のICT利活用のスキルが上がり、学習活動だけでなく進路選択の幅も広がっていく。生徒実験での継続した指導を行いたい。

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