大分県立鶴崎工業高等学校2年

仕事の原理

使用したICT機器

[機器]
タブレットプロジェクタ

[教師が使用したツール]
学習支援ソフト静止画
[生徒が使用したツール]
学習支援ソフト

学校・学年

高等学校
大分県立鶴崎工業高等学校 2年

教科

理科(物理基礎)

授業の内容

「体重60kgの人が500kgwの力を生み出すには、どうしたらよいか。」を主課題として、最後に滑車をどのように組み合わせたらよいか考えさせた。展開のところでは、主課題を考えるための2つの課題「直接持ち上げる場合と定滑車を使う場合と比較し、力や距離はどうなるのか」と、「直接持ち上げる場合と、動滑車を用いた2種類の方法(力が半分になる場合と、力が2倍になる場合)と比較し、力や距離はどうなるか」を、予想→発表などの言語活動→実験による確認という流れで進めた。結果から仕事の原理を確認し、また、滑車にかかる力を考えさせることで力が変わらないが向きが変わる、半分、2倍になることを押さえた。この2つの課題の結果をもとに、滑車を複数組み合わせて、自分の体重を使って、500kgwのものを持ち上げる(約1/8にする)にはどのようにしたらよいか、それぞれ図に描かせた。

ICT活用のポイント
(工夫したところ、苦労したところ 、成果、課題)

工夫したところ
・実験手順の動画を作成し、スムーズに実験を進めるため個人のipadで見られるようにした。また、実験の説明時に初めて動画が見られるよう設定をした(関係ないところで生徒が見てしまい気が散らないように)。
・メタモジで、生徒の予想とその考えを素早く把握できるよう、生徒が入力するサイズを大きくしたり、色を分けさせるなどした。
苦労したところ
・生徒と自分がメタモジやteamsを習熟するまで時間がかかったため、授業の進度を確保するのが大変だった。
課題
・ペーパーレスで授業をするにはまだハードル(ネット環境、生徒が充電して持ってくることが習慣化していない等)があるため、授業プリントと、ipadの両方を使用し、どう使い分けたらよいか。
成果
・ipadを使った授業は、生徒や自分が習熟していくとそのメリットを感じるようになった(アンケートより)。
・作業することが聞くことより得意な生徒が多いため、授業に集中する生徒が増えた。
課題
・ipadの画面に集中して必要な時に前を見なかったり、別のサイトを見ていたりすることもあるので、こちらがしっかり把握し今は何をする時なのか、メリハリをつけていくことが大切である。
・一人1台端末に対応した授業にするため、授業プリント、パワーポイントなど全て作り直さなければならないので、時間はかかった。

実践を終えての感想

授業者の感想
成果 
仕事の原理は、滑車を使って実験をするなど中学校で時間をかけて学習している内容であり、生徒は比較的得意とする分野であると感じていた。しかし、滑車を使えば力半分で距離2倍ということを覚えている(理解はしていない)だけだろうということを踏まえて、「定滑車」「動滑車」ということ言葉を使わず考えさせ、大半の生徒に間違って予想させることで、「本当の意味では理解していない」、「理屈を知らなければならない」というメッセージは伝わったのではないかと思う。先生方のアドバイスを受けて主課題の設定を行うことができ、チームで考えることで成長できるということ、課題設定の重要性を学ぶことができた。
課題
班での話し合いで、考えを深めていくところはできなかった。

生徒の様子
今回の授業だけではないが、誤概念を扱ったテーマで大半のものが間違うようなことが何度かあると、反射的に選択肢を選ぶのではなく、「いや待てよ」というように理由とともに時間をかけて考えようとする生徒が増えたような気がする。間違っていたとしても、理由の中になぜ間違えるのかの真実が隠されていることが多いので、間違いの意見も大切にし、生徒を励ましながら授業をしていくと、選んだ理由を「なんとなく」と答える生徒が減っていき、自分なりの理由を書くようになった。班で話し合って課題を解決していく姿は、電気部の多い電気科では見られるが、機械科では難しいので、今後どのように育てていけばよいのか考えたい。

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