大分県立佐伯豊南高等学校3年

第5章 現代の世界と日本 歴史に学ぶ(歴史の論述)

使用したICT機器

[機器]
タブレット

[教師が使用したツール]
デジタルコンテンツ
[生徒が使用したツール]
デジタルコンテンツ

学校・学年

高等学校
大分県立佐伯豊南高等学校 3年

教科

日本史B

授業の内容

本時は佐伯市の歴史と教科書の歴史を関連づけ、生徒に資料を読み取る力、考察する力を育成することを目的とした授業である。佐伯市歴史資料館所蔵の佐伯藩地図と現代佐伯市の地図を比較し、江戸期から現代にかけての変化を考察する。江戸期には川だった部分が現代では埋め立てられ、佐伯市の中心街・主要道路となっていることを理解する。
次に佐伯市の郷土史から抜粋した資料を用いて、川が埋め立てられたのは1950~1970年代であることを見つけ、その時期が我が国にとってどのような時代であったかを教科書から読み取る。そして、その時期が高度経済成長期であることを理解し、郷土史から抜粋した別資料から、埋め立てた理由を考察する。(想定している答え:工場誘致と国民生活向上のため)。最後に、次時には高度経済成長によるデメリット(想定している答え:公害、交通渋滞、事故が多発すること)について触れることを伝えて終わる。

ICT活用のポイント
(工夫したところ、苦労したところ 、成果、課題)

〇工夫したところ
 ・古地図と現代の地図について、比較をしやすいように、目印となるような建物(寺院や地名)を見つけておく。
 ・現代とのつながりが分かる部分(地域名)等について、動画を撮影しておいたこと。

〇苦労したところ(苦労させてしまったこと)
 ・郷土史を調べること(特に現代の資料)に多くの時間を割く必要がでたこと。(歴史資料館でも現代の資料などは取り扱いが少ないことも多く、学校や地域の図書館とも連携が必要になったこと)
 ・必要な資料を改変していくことが必要になったこと。(出典そのままの資料では数値が細かすぎたり、地域範囲が広すぎたりするなど、調べるまでに時間がかかり過ぎることが予想された。)
 ・多忙な資料館の学芸員の先生にご教示をいただいたこと、学校司書や地域の司書の方に資料検索をしていただいたこと。

実践を終えての感想

〇授業全体を通してよかった点
・生徒のコメントより「江戸期の地図にあった地名が今でも残っていること、私が普段通っている道にも歴史があり、その上で自分が生活していることが実感できて楽しかった」「発見が楽しかった」「佐伯がもっと好きになった」等
・「郷土史」が「教科書の記述」と重複していることを知ることができたこと。「郷土史」の視点から「教科書の歴史」を再構築し、生徒の主体的な学びや受験指導にもつなげることが可能であることが分かったこと。

〇生徒の変化
 ・授業後のアンケートに「佐伯についてもっと知りたい」「自分でも調べてみたい」という前向きなコメントがあった。実際に「総合的な探究の時間」で歴史について研究する生徒もいたこと。

〇今後チャレンジしたいことなど
 ・様々なアプリをもっと積極的に活用できるようになりたい。
 ・歴史資料館や県、大学その他の機関と積極的に連携し、生徒たちに学ぶ楽しさ、歴史を身近に感じてもらえるような工夫を行いたい。

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