大分県立日田高等学校2年

1.00 [s]で振れる簡易振り子時計の作成

使用したICT機器

[機器]
タブレット

[教師が使用したツール]
デジタルコンテンツ
[生徒が使用したツール]
デジタルコンテンツ

学校・学年

高等学校
大分県立日田高等学校 2年

教科

物理

授業の内容

本時のねらいは2つの力を身に付けさせることであり、その力は①周期1.00 [s]の簡易振り子時計に生じる要因(仮説)を明確な根拠をもとに考える力、②検証実験から得られたデータを整理し、それをもとに実験結果を分析し、仮説を検証する力を身に付けさせる力である。前時までに、原理から1.00[s]で振れる単振り子の長さの理論値を計算している。本時では、まず班で理論値をもとに1.00 [s]で振れる簡易単振り子を作成し、誤差が生じた要因(仮説)を根拠をもとに考えさせた。次に、仮説をもとに検証実験を行わせ、得られたデータから結果を分析・考察させた。実験内容をまとめたワークシートはMetamoji上に写真で提出させ、次時にて、実験内容を全体で共有した。

ICT活用のポイント
(工夫したところ、苦労したところ 、成果、課題)

活用したICTは、①パワーポイント資料を用いた教員による説明、②エクセルを用いた生徒の実験結果の入力(共有)、③Metamojiによる実験内容の共有、④iPadのカメラ機能を利用した測定である。①に関しては、生徒に図や写真を用いることで視覚的に活動すべき内容や物理現象の原理が伝わるよう留意した。②に関しては、他班の実験結果がクラス全体で共有できるよう、教員が事前にTeamsにエクセルファイルを投稿し、生徒はそのTeamsから開くことで共同編集が可能になり、各班のデータを集約することができた。③に関しては、普段であればワークシートを提出させて実験内容を確認するが、ワークシートに記述した内容を写真で撮影し、Metamoji上にて貼り付けによって提出させることで生徒自身も他班の実験内容を見て学ぶことができるよう心掛けた。④は、iPadのストップウォッチ画面と単振り子の実験の様子を同じ画面内で撮影することで周期の測定を簡易的に行えるようにした。
ICT活用による成果は、①視覚的に情報を生徒に伝えられること、②板書やワークシート等の処理など教員の負担を減らすことができる、③電子上で生徒が他の生徒の考えや解答を見ることやクラス全体で意見を共有することが容易となったことであると考える。課題は、①準備の時間がかかってしまうこと、②新しいアプリ等が出るたびにその活用方法を考えなければならないこと、③ICTの活用に関して生徒に慣れさせ、習慣化させる指導が必要であること 等であると考える。

実践を終えての感想

授業者の感想
成果は、①探究の過程を取り入れた単元構成がであったこと、②評価基準を生徒に明示し活動させたことである。①に関しては、単元全体として「1.00[s]で振れる簡易単振り子の作成」という大きな課題のもと、「知識を習得する場面」「仮説を考える場面」「データを整理し分析する場面」「結果を考察する場面」「発表する場面」を整理し、単元構成、授業づくりを行うことができた。「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」がバランスよく育成できる構成となったと考える。②に関しては、評価基準を活動前に生徒に明示することで、生徒自身が到達目標を明確に意識して活動ができていた。
課題は、①物理的根拠(仮説)のないまま、検証実験を行う班が出てしまったこと、②評価基準の妥当性である。①に関しては、モノづくりを題材にした授業であり、装置を適当に修正することで1.00 [s]になってしまうことがおきた。活動前の指示の仕方を工夫し直したい。②に関しては、評価基準はまだまだ不完全なものであり、今後も多くの先生方と協議していきたい。

生徒の様子
生徒の変容として見られたのは、まず、目的意識や興味関心をもって授業に参加する生徒が増えたことである。この単元の授業を行う前にに、『単元全体としての課題は「1.00 [s]で振れる簡易振り子時計の作成」である』と生徒に明示できたため、生徒自身が学ぶ必要性を感じながら各授業に参加できていたのではないかと考える。また、探究の過程を意識した授業により、答えのない課題に対して粘り強く生徒が増えたと考える。

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