大分県立大分雄城台高等学校1年
「先従隗始」を読み、戦国時代を背景とした国の状況を知るとともに、論理の巧みさを読み解く
-
使用したICT機器
-
[機器]
タブレットプロジェクタ
[教師が使用したツール]
学習支援ソフト [生徒が使用したツール]
デジタルソフト学習支援ソフト
-
学校・学年
-
高等学校
大分県立大分雄城台高等学校 1年
-
教科
-
国語
-
授業の内容
-
前時までの学習を振り返り、「郭隗はなぜたとえ話に『千里馬』『死馬骨』を使ったのか」という問いを提示して本時の目標を確認。音読やペアワークを行いつつ、本文の内容の確認をしたのち、ワークシートを用いて「千里馬」「死馬骨」の意味するものを整理。「涓人」と「郭隗」のそれぞれの主張を確かめ、当時の人々にとっての「馬」の存在価値や「千里馬」「死馬骨」が象徴することを考えさせた。なぜ他の例ではなく「千里馬」「死馬骨」だったのかという視点を持たせ、班を作って話し合いを行わせ、出てきた意見をMetaMoJi上にまとめさせた。最後に個人の活動に戻り、郭隗がたとえ話に「千里馬」「死馬骨」を使った理由を、それぞれが象徴することや時代背景をもとに書かせることで評価を行った。
-
ICT活用のポイント
(工夫したところ、苦労したところ 、成果、課題) -
前時までの振り返りや単純な内容の読み取りについてはPowerPointで資料を作成し、授業ではプロジェクターを通してスクリーンに投影した。話の解釈に通ずる部分や生徒に考えさせたいことは黒板に書き、ICTと黒板の効果的な活用を目指した。学習活動では紙のワークシートとiPadを併用し、個人で考える際には紙を、班での話し合いやまとめる段階ではiPadのMetaMoJiを用い、教員用iPadとミラーリングしたスクリーン上で各班の進行状況を確認することで、話し合いの可視化とクラス全体へのフィードバックが可能になった。しかし、iPad、ノート、プリントと、生徒の手元に多くのツールがあり煩雑なため、ツールを精選していくことが必要である。
-
実践を終えての感想
-
答えが明確でない問いを多角的に考え、話し合いを経て思考を深める様子がうかがえた。しかし、生徒の主体性を生かしきれず、授業の前半が誘導的であったことに課題がある。また、多様な活動を取り入れた反面、生徒の思考する時間を十分にとることができなかった。より生徒の実態に即した精度の高い問いを的確に設定し、生徒が自ら課題に気づくような主体的な学びを促したい。
従来の漢文学習に多かった「逐語訳をした後に読解を行う」という形の授業は、ある意味、現代語訳と読解が切り離されてしまっている。今後は、読解に必要な重要語句・句形をおさえたうえで、現代語訳と読解が有機的に結びつく形の授業に挑戦していきたい
コメント