大分県立別府支援学校鶴見校高等部1年2年3年

他者との関わりや自分の役割を感じられる合同授業の工夫 ~重度重複障がい児の教科学習の充実に繋がるICT活用~

使用したICT機器

[機器]
PCタブレット

[教師が使用したツール]
デジタルソフト学習支援ソフト
[生徒が使用したツール]
デジタルソフト学習支援ソフト

学校・学年

特別支援学校
大分県立別府支援学校鶴見校 1年 2年 3年

教科

日常生活の指導(朝の会)

障がいの状況

・知的、肢体不自由等の障がいを併せ持つ。
・医療的ケアが必要な生徒も複数名在籍する。
・日常生活面では全介助を要する。
・発語がない生徒が多く、意思の表出は表情の変化や簡単な手指操作に限定される。

子どもを取り巻く状況

・体調面や生活リズムにより、全員が同じ場所で学習することが難しい。
・卒業後も入所施設で集団生活を送ることが想定される。
・学部目標では、基本的生活習慣の確立や社会性の育成が示されている。

子どもの困り(本人の困り)

・肢体不自由により、微細な手指操作が難しい。
・肢体不自由や斜視等の身体の状態により、外界の認知や環境の把握に支援が必要である。
・意思の表出が微細である。
・対教師の関わりが多くなりがちであるため、友だち同士の学び合いは場面設定等の工夫が必要である。

解決の方策・手立て

・個々の実態に応じたAAC機器を用いる。
・わかりやすく情報を共有できるように、視覚支援に音声を対提示する。
・係活動における双方向の関わりを通して、集団での役割や人との関わり等の社会性を育む。
※教科の視点で課題を整理してICTを活用

実践の様子

【朝の会の流れとアプリ等の使用場面(2会場Zoom接続)】
・導入の音楽(Keynote)を流した後、①朝のあいさつ(VOCA)/②日付の確認 /③天気(シンボル)/④今日の日程(Keynote,スイッチ)/⑤健康観察(Zoom)/⑥先生の話(ルーレット)/⑦今月の歌(読み上げアプリ,YouTube)の流れで実施。①~⑦(係の仕事)を一人一役で実施。

【中間報告の課題 その後の取り組み】
・テレビモニターを1台増設し、画面全体に別教室の生徒を表示すると(以前は画面の一部に表示)活動の様子を捉えやすくなり、メイン会場の生徒たちが画面上の友だちを注視することが増えた(写真上)。同様に『先生の話』のルーレットもiPad画面からモニター表示に変更したことで、教師の顔(話し手)を認識しやすくなり、他者への関心をさらに引き出せた。合同学習におけるモニター併用は、他者をより認識し社会性を育む補助具として有効であった。

【最終報告 成果と今後の展望】
・スイッチ操作によるアプリの反応(効果音等)を追加設定すると、操作と反応の因果関係がわかりやすくなった。1年間同じ係を担当したことで、スイッチ操作も徐々にスムーズになり、周囲の称賛によって笑顔も増えた(写真下)。
・日常生活の指導として行っていた朝の会を教科『社会科(下学年代替生活科)』として整理した結果、目標や内容が明確になりICT活用場面やその必要性が再確認できた。今後も教育課程の整理を進める中で、重度重複障がい児の教科学習を支えるICT活用の工夫についてさらなる検討が必要である。

コメント

コメントを投稿する