大分県立大分東高等学校2年

多肉植物『ゴーラム』の培養に適した支持剤の添加量とは?

使用したICT機器

[機器]
タブレット

[教師が使用したツール]
デジタルコンテンツ
[生徒が使用したツール]
デジタルコンテンツ

学校・学年

高等学校
大分県立大分東高等学校 2年

教科

農業(植物バイオテクノロジー)

授業の内容

植物の組織培養において、実践事例に乏しい多肉植物の大量増殖をテーマとして、実験実習と連動させた授業を実施した。単元前半は植物に起こしたい変化を考えさせ、培地に添加する植物ホルモンの組合せと濃度を設定させた。後半は材料とする多肉植物の増殖に最適と思われる支持剤の添加割合を考えさせた。いずれも班ごとに異なる培養条件を設定させた。
単元のまとめとして、各班が培養したものの中から平均的な生育・分化したものを1個体ずつ選抜し、4つの項目(支持剤の添加量、増体率、器官の分化状況、器官が分化した個体の割合)を指標として、培養材料とした多肉植物にとって、どの培養条件が適しているのかを分析した。授業は「知識構成型ジグソー法」を土台として、主体的で対話的な授業となるよう計画した。また、1時間で完結させられるよう、与えるデータは共通とし、小問でA~Dのエキスパート分けを行った。

ICT活用のポイント
(工夫したところ、苦労したところ 、成果、課題)

班別ワークのまとめ及び意見交流は、授業用クラウドとして利用しているMicrosoft Teamsを用いるよう計画した。これまでの利用から、生徒全員がアプリを開くと接続できない端末が生じることが確認できていたので、6つの班に1名ずつ記録係を置き、その生徒のみタブレットを開くよう指示していた。ハード面では、この授業の1ヶ月ほど前に、いわゆる「100円均一」の店舗で購入したタッチペン(ペン先は繊維と透明ディスクの2種類)を生徒に配布し、使い慣れさせておいた。
まとめは、アプリ内のOne Note機能を使い、6班の解答がリアルタイムで電子黒板上に表示されていく構成とした。書き込む内容は各支持剤の添加量と、そのように考えた根拠に絞り、班ごとの違いが分かりやすいように、できる限り簡潔なものとした。画面が更新されるまでにやや時間がかかってしまったが、班の名前を自由に決めさせたこともあり、和やかな雰囲気での授業とすることができた。

実践を終えての感想

対象クラスは実験実習に対して意欲的であることはもとより、日頃から理論学習等にも前向きに取り組むことができる。生徒が自らの手で培養したものが教材として登場したことがよかったのか、資料から得た情報をしっかりと他者に伝えようとする姿は、いつも以上に意欲を感じさせるものであった。
改善すべきこととしては、培養結果の分析が予想した以上に時間が必要だった点が挙げられる。制限時間を設けていたため、生徒から電卓使用の許可を求める声が上がり、これを認めたことで解決となったが、あらためて考えると、2時間の授業を使ってより細かいところまで考えさせる構成とした方が、学びはさらに深まったのではないかと感じられる。また、授業の参観者からは、培地の調製段階において溶質と溶媒の質量が統一されていなかった点を改善し、より正確なデータが得られる授業づくりに取り組んで欲しいとの提言をいただいた。

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