大分県立大分支援学校小学部1年

主体的に係の仕事に取り組むための指導

使用したICT機器

[機器]
タブレット

[教師が使用したツール]
[生徒が使用したツール]
デジタルソフト

学校・学年

特別支援学校
大分県立大分支援学校 1年

教科

生活科

詳細

・文字や数字に興味を持っているが、読んだり一人で書いたり、意味が分かったりということはまだできない。しかし、1~10までの数字については理解できており、数字を見たり教師の言った数を聞いたりして、それに合ったカードを取ったり指で示したりすることができるようになった。
・理解力が高く、口頭指示もよく分かっているが、発語がなく意思表示も曖昧なため、いろいろなことに受け身的である。
・iPadに興味があり、教師が操作しているとのぞき込もうとする。使い方は分かっていないが、タップすることには慣れてきた。「しゃべるんです。」のアプリについても、使い方を理解しつつある。

子どもの困り

・教師の言っていること(指示)は大体理解できているが、発語がないため、気持ちを他者に伝えたり発表したりすることが難しい。
・児童に合った表現方法を見つけることが難しい。(教師の身振りや指差しの真似をすることしかできないため、意思が伝わらない。)

解決の方策・手立て

・発語がなくても言葉を伝えられる手段を知る。(VOCAアプリ)
・いずれ文字が書けるようになったり打ち込めるようになったら、読み上げアプリ等を使って表現できるようにする。
・第二段階として、クリスマス会において、自分が作った飾りの発表をVOCAアプリを使って行うようにする。

実践の様子

・学年のクリスマス会に向けて、クリスマス飾りを作り、その飾りを発表することを目標に、生活単元学習に取り組ませた。発表したい飾りを自分で選び、内容を一緒に考えた後、児童Aが作った文章を自分で発表できるように、「しゃべるんです」のアプリを活用した。
・①アプリのメッセージ表示(タップしたカードがその順番で読み上げられる=文章を読み上げる)機能をオフにして、児童Aが作った飾り3種類の写真を使ってカードにし、3つの選択肢から自分が発表したい飾りを選ばせた。②選んだ飾りをタップすると文章を作成できるページに移動できるようにリンクをかけ、アプリのメッセージ表示をオンにして、発表文章を作らせた。(事前に発表内容については聞き取りで一緒に決めていた。)
・「これから発表をはじめます。/ぼくががんばったのは/この星のかざりです。/えらんだ星のかたちを/パズルみたいに貼りました。/たのしかったです。/よく見るとキラキラしているので、見てみてください。/これで終わります。」という文章を発表するために、文節で区切った7つのカードを作った。音声と画像が結びつくように、飾りの写真や児童になじみのあるイラストを使った。文章を作ることは難しいため、カードのタイトルを数字(1~7)にし、数字通りにタップすると正しい文章になるようにした。また、日頃の発表では、これまで担当教師が傍でジェスチャーと共に発表し、児童Aは教師の動きを真似して発表していた。そのため、今回の発表も聞きなじみのある教師の音声をカードに登録した。
《結果》
・文章作成場面では、【画像1】のように、教師が傍で「次は3をタッチ」など言葉かけをすると、自分で数字を指で表しながら数字を探してタップし、文章を作成することができた。作成後再生ボタンを押し、完成した文章を一緒に確認すると、満足そうな表情を浮かべていた。「クリスマス会で、このボタンを押して発表するよ」と知らせるとともに、その後の練習時間に何度か発表練習を行った。(タップをして、その後教師のジェスチャーを真似る)
・本番での発表場面では、【画像2】のように、再生ボタンを自分からタップし、最後まで発表できた。

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