大分県立宇佐高等学校3年

論拠を明確にして、意見を述べよう

使用したICT機器

[機器]
タブレット

[教師が使用したツール]
学習支援ソフト
[生徒が使用したツール]
学習支援ソフト

学校・学年

高等学校
大分県立宇佐高等学校 3年

教科

国語表現

授業の内容

3年生になってから、昨今の大学入試の流れを鑑みて、スピーチやプレゼンテーションに積極的に取り組ませてきた。その中で、人前で話す経験や人の話を評価する経験を積ませることはできた。しかし自分の経験談に終始してしまったり、憶測で発言してしまったりなど、論拠に欠けることが多かった。そこでこの授業では、生徒たちに3つのテーマを与え、各自で情報収集させた上で、セルフディベートを行わせた。説得力のある論の展開には、客観的なデータや数値、事実の提示が必要である。論理展開を明確にしたり、客観的な事実に基づいて主張したりすることは今後社会に出ていく生徒たちにとって不可欠であるため、この授業がその一助となればと考えた。正解の出ないことに対して論理性を持って主張し、また相手の立場になって考える力を養うのに、適切なテーマであったと思われる。

ICT活用のポイント
(工夫したところ、苦労したところ 、成果、課題)

活用した場面は2つである。まず、自分が与えられたテーマ(①救急車は有料化すべきである②ペットの売買は禁止すべきである③飲食店にドギーバッグの常備を義務付けるべきである)に対して、世間ではどのような意見があるのか、どういう現状があるのかをiPadを用いて情報収集させた。今まではiPadの台数が限られていたため、班のペースで進めるしかなかったが、一人に一台ずつ端末が割り当てられたことによって、検索が早い生徒は効率よく情報を収集できたようである。また、振り返りの際にはMetamojiClassroomを利用した。研究授業の際は時間が足りなくなりがちだが、授業内に時間が取れなくても、そのあとにやっておくよう指示を出せるので、利便性が高いと感じた。

【ICT活用における成果と課題】
・使用するアプリの精選
・生徒が混乱しないための適切な指示
・検索ワードの適切な選択

実践を終えての感想

授業者の感想
1年次から持ち上がりで3年間指導してきたが、当初から授業に意欲的に取り組める生徒たちであった。この授業においても課題に積極的に取り組み、お互い刺激を与え合うことができた。正解のないことに対してどう考え、どうアウトプットしていくかは、今後の社会を生き抜いていく上で欠かせない技術であり、それを身につけるきっかけを与えられたことは成果の一つであると考える。しかしながら、情報収集の仕方やICTの活用に関しては課題が残った。検索ワードを工夫しなければ多様な情報を集められなかったり、しかるべき情報に辿り着けなかったりする。Metamojiの活用についても、振り返りだけでなく全体でなにかしらの共有をさせる方が、アプリの特性を上手く生かせるのではないかと思う。様々な学習ツールがあるため、場に応じて適切に選択していく必要があると感じた。

生徒の様子
第1次ではまず、自分の中に現在ある知識のみで立論と反論を行わせた。しかしそれだけでは情報量が不足しており、さらに主観のみで論を組み立ててしまう可能性もあることに気づいた。情報収集を通して、数値や事実に基づいた客観的な意見を述べることの重要性を実感することができた。

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