大分県立大分鶴崎高等学校2年
登場人物の視点に立って、物語のあらすじを書く。
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使用したICT機器
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[機器]
タブレット
[教師が使用したツール]
学習支援ソフト [生徒が使用したツール]
学習支援ソフト
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学校・学年
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高等学校
大分県立大分鶴崎高等学校 2年
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教科
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古典B
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授業の内容
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生徒は一学期に「古今著聞集」「枕草子」を扱い、古文読解には文法の基本事項だけでなく、平安時代の慣習等の知識も重要であることを学んでいる。助動詞の用法は概ねできているが、主語を補い、物語の全体像に目を向けて心情を把握することに苦手意志を持つ生徒が多い、「光る君誕生」は、帝の寵愛から光源氏の誕生に至るまで、周囲の人々が抱く感情は立場によって様々である。それぞれの立場による心情を把握し、物語の全体像を読み取ろうとすることで、ものの見方、考え方を深め、物語の面白さを感じ取ることを目的とした。授業では「桐壺帝」「桐壺の更衣」「右大臣の女御」の3グルーブに分かれて、それぞれの人物像を共有し、グループ活動で話し合った後、個人活動で「一人称であらすじを書く」という動を行った。現代との違いを考えながら一人称であらすじを書く活動は、「立場」「心情」「時代背景」を理解することが必要であり、生徒が物語の面白さを感じ取るのに適した教材であったと考える。
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ICT活用のポイント
(工夫したところ、苦労したところ 、成果、課題) -
グループで話し合った内容や、個人で記述した内容を共有し、相互評価を行うためにMetamojiクラスルームを活用した。効果を感じた点は、生徒が長めに記述した内容をすぐにクラス全体で共有できることである。しかし、生徒が話し合う時間よりも、タブレットに向かって作業する時間の方が長くなってしまったことが今後の改善点である。資料やプリントをすべてタブレットに配布するのではなく、紙資料との使い分けが必要であると感じた。
◯紙資料・プリント等、紙資料の削減。準備の時間削減。
◯生徒が意見発表する際の効率化。
◯生徒がタブレットにプリントや資料を保存するので、提出・配布・回収の手間がかからない。
◯小テストや課題への活用。
●紙に書くことと、タブレットに入力することが同じではないこと。MetaMojiは手書き入力ができるが、画面を拡大しながら、指で書く生徒がほとんである。入力ミスも目立つ。
●グループやペア活動での話し合いの方法の工夫。発表の方法の工夫。
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実践を終えての感想
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授業者の感想
「私は○○です。」という書き出しを統一することで、生徒は登場人物の心情を考えながら、自由に記述できていた。一方でその場で記述することと、内容を共有する際に読むことに時間がかかってしまい、生徒が話し合いにあまり時間をかけられなかったことが課題である。タブレットを活用しながら生徒が思考する場面を作る工夫が必要だと感じた。「あらすじ」の記述内容については、「立場」「心情」「時代背景」を必ず踏まえるという条件を指定したので、詳しくかけていたものが多い。MetMojij上で共有することで、発表する時間の短縮を図ることができた。
生徒の様子
・今回はやや長めの記述内容だったが、タブレット上ですぐに書いたものを共有できたので、相互評価ができた。
・授業前と授業後で、それぞれの登場人物に対する印象が変化している生徒が多かった。
・ワークシートと配布資料を読むことに注意が向かい、教科書本文に戻って読む生徒が少なかった。
・話し合いよりも、書くことに集中している生徒が多く、グループにしたが実際は個人活動になっていた。
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