中津市立小楠小学校6年

版から広がる世界〜小楠小鳥獣戯画展ポスターを作ろう

使用したICT機器

[機器]
タブレットモニタープロジェクタ

[教師が使用したツール]
デジタルソフト静止画
[生徒が使用したツール]
デジタルソフト静止画

学校・学年

小学校
中津市立小楠小学校 6年

教科

図画工作

授業の内容

〇11月国語科単元「『鳥獣戯画』を読む」の学習をした。その際、「鳥獣戯画」アプリを使って、絵巻の中から自分が好きな場面を選び、自分はその絵をどう見るかを筆者の物の見方を利用して書く学習もした。
〇12月図画工作単元「版画から広がる世界」で、「小楠小鳥獣戯画展ポスターを作ろう」をテーマにして絵の構成を始めた。児童は各自「BirdandAnimal」アプリ(鳥獣戯画の絵巻物に使われているモチーフを自由に構成できるアプリ)を使って、鳥獣戯画に用いられているモチーフ(動物、植物、風景、道具)を自由に構成し、自分の描きたい動物たちの世界を作った。それを下絵として版画制作を始めた。「カメラ」と「写真」アプリを使って、彫刻刀の堀り方や各種彫刻刀の線の特徴を児童に示した。児童は個々のスピードで掘り進めた。
〇1月彫刻刀の彫りが進み、作業の早い児童は、絵の背景をどうすべきか悩んでいた。いったん彫るとやり直しがきかないだけに、風景を足すべきか、風景を描き足さずに真っ黒なままにして動物を目立たせるか、風景以外にどんな背景があるのだろうかと悩んでいた。また、板の色が青なので、インクをつけたときの「黒と白の仕上がりイメージ」が児童にはわきにくかった。

①背景に悩んでいる子どもたちの、途中の作品を「カメラ」アプリで撮る。
②「写真」アプリで色の加工(ノアールを選択)をして、青の板を彫って線が木の色で見えている絵を、黒の板に白の線で見える絵にして、インクで刷ったときのイメージを持たせる。
③「ロイロノートスクール」アプリで、先ほど白黒に加工した写真を取り込む。ペン機能を使って白インクに設定し、背景部分に仮の絵を試し描きする。元の絵を数枚コピーしておいて、そのコピーごとに違う背景を描いて、本人が比べて背景を決定する。
④板に、決まった背景を鉛筆で描いて彫る。

ICT活用のポイント
(工夫したところ、苦労したところ 、成果、課題)

制作イメージを持ちやすくし、イメージをふくらませること。友だちの作品の良さをみつけること。
〇制作途中で児童の作品の様子などを黒板(ホワイトのマグネットシート)に映し出して、適宜みんなで彫りの注意点や作業工程手順、制作イメージなどを確認できるようにしたこと。また、友だちのがんばりや困りを紹介し共有する場にしたこと。
〇アプリを利用させることで、制作イメージをもたせ、その中から選べるようにしたこと。

実践を終えての感想

白黒(刷った作品)のイメージをもてたことで、さらに彫りたいもの、彫るべき線などを、児童自らが見つけることができたこと。〇「ロイロノートスクール」で背景イメージを自由に描き足すことができたので、数種類の背景パターンを試すことができた。
プレゼン学習で慣れていた「ロイロノートスクール」を使って、今回は自分のイメージ作りのために使ったが、多くの児童がこのアプリを使って背景のイメージを数種類作り、試した上で選ぶことができたので、安心して、納得して作品づくりを進められたことが良かった。彫ったらやり直しのできない制作活動なので、「もしも彫ったら」のイメージがもてたのはICTの強みだと思った。描画アプリはたくさんあるので、色々試してみたいと思った。

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