大分県立宇佐産業科学高等学校2年

「食品の調理上の性質」

使用したICT機器

[機器]
タブレットプロジェクタ

[教師が使用したツール]
デジタルコンテンツ
[生徒が使用したツール]

学校・学年

高等学校
大分県立宇佐産業科学高等学校 2年

教科

家庭・調理

授業の内容

前時の調理実習「鶏卵、ゼラチン・寒天を用いた調理」と関連付けながら、鶏卵、ゼラチン・寒天の調理上の性質を自分の言葉で説明できることが本時の目標である。
 導入として、前時の実習レポートを返却し、振り返らせるとともに、本時の目標を伝えた。
展開の冒頭で、本時の流れをシンプルにまとめたものをパワーポイントで提示し、見通しを持たせ、それぞれの食品の調理性のまとめに取り組む(個→グループ→全体)。調理性のまとめをする際、生徒が記入しているワークシート自体をプロジェクターで提示し、教師がヒントやポイントを記入することで、学習が滞ることなく進行した。記入の際、「書くこと」について困難さを持つ生徒に対して、授業のユニバーサル化が実現できていた。
 まとめとして、「要点は何だったか」「実際の調理でどのように生かされるか」の視点から、1枚ポートフォリオに記入させ、本時の学習成果を振り返らせた。

ICT活用のポイント
(工夫したところ、苦労したところ 、成果、課題)

ICTを「学びの視覚化」のために用いたところ、「ワークシートの記入欄がそのままスクリーンに映ること」「図や写真をカラーで見ることができること」は生徒の理解を促すことができると実感した。学習において、困難さを抱える生徒達に視覚的に訴えることは非常に効果的で、図や写真、ワークシートを即提示できることで、生徒達の学習意欲を喚起できたと感じる。これまで、コツコツとこの形態の授業を積み重ねてきたが、生徒のレポートやワークシートが充実してきたことから、一定の効果があったと考える。併せて、単元を通して、1枚ポートフォリオを完成させていくが、単元のまとまりや目標が明確になることから、生徒達の学び易さが実現できた。
 生徒の状態に応じて即時的に図や写真等を提示できるが、生徒側にそれが記録として残らないということが課題でもある。今後は、生徒のタブレット端末と資料を共有し学習の足跡が残るような方法も検討したい。

実践を終えての感想

調理実習は実習のみで完結してしまいがちな学習である。「実習を通して何を学ぶことができたか」を振り返り、「食品の調理上の性質に関する学習と関連付けること」を単元を通して学習したことで、生徒の実習に対する意識に変化が現れた。単元の学習内容と流れがワークシートやポートフォリオ等の教材から視覚的にわかるように工夫したことで、生徒はスムーズに学習に取り組んでおり、授業を受けるたびに完成に近づいていくポートフォリオがモチベーションアップにつながったように思う。
 今後、様々な科目で1枚ポートフォリオを活用できるよう改良を加えて、生徒のタブレットに保存できる形で配布したいと考えている。そうすることでタブレット端末1つで生徒自身が学習前後の成長を実感し、単元の振り返りに活かしやすくなるように思う。生徒の学習状況を教師側も把握し、単元のまとまりを意識した指導と評価の一体化につながるようにしたいと考えている。

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