大分県立玖珠美山高等学校2年

東アジア交易と前期倭寇

使用したICT機器

[機器]
タブレットプロジェクタ

[教師が使用したツール]
デジタルソフトアンケートフォーム
[生徒が使用したツール]
デジタルソフトアンケートフォーム

学校・学年

高等学校
大分県立玖珠美山高等学校 2年

教科

地理歴史科(日本史B)

授業の内容

14~15世紀の東アジアにおいて、政情不安が前期倭寇の活動を活発化させ、明・朝鮮・日本(足利義満)は貿易を行いながら倭寇対策を行った。授業では東アジアの情勢を踏まえながら政治変動と倭寇の関係性について史料や模式図をもとに考察させた。導入では、「海賊について思い浮かべること」でテキストマイニングを行い、「海賊」のイメージを確認した。展開1では、iPadを用いて倭寇図巻をみることで倭寇の実態を確認し、Googleフォームを用いて複数の資料から政情不安と倭寇の関係性がわかる問題を作成し解かせた。展開2では、模式図を用いて各国の倭寇対策の違いを考察させた。まとめでは、政情不安と倭寇の関係性を、現代の政情不安と海賊の関係性に当てはめ、現代とのつながりや後期倭寇の単元へのつながりを意識させた。

ICT活用のポイント
(工夫したところ、苦労したところ 、成果、課題)

アナログの教材(板書・プリントなど)とICT教材のバランスに注意すること。ICT教材はあくまで補助教材であるため、ICTの活用が中心になった場合、生徒が作業に気をとられてしまい、授業内容の理解や思考活動が阻害されてしまう。ICTはリアルタイムで意見を共有・集約する場面や、絵画資料の閲覧の場面、評価の場面などでの活用に向いており、その他の場面においてはアナログ教材の方が向いていることもある。今後ICTを活用する際には、思考活動の目的やICTの適性を判断し、より効果的な場面で使用していきたい。

実践を終えての感想

成果:テキストマイニングを用いることで生徒の回答を反映させた導入が可能となり、生徒の興味関心が高まった。また、歴史と現代をつなげることで、新たな疑問や課題を発見する機会が生まれた。今後はより簡易的・日常的にテキストマイニングを使用する方法や、現代とのつながりを意識させる場面設定などにチャレンジしていきたい。
課題:1時間に複数の思考活動を入れたことで時間が不足した。知識や理解の時間を確保した上で思考活動を行う必要があり、ICTを活用した思考活動は多くて1時間に2回までにするべきだと感じた。さらに、資料(史料)を読み込む思考活動はより時間を要するため、余裕をもった展開案を作成し、タイムマネジメントをうまく行わなければならないと感じた。また、ICTを活用して生徒の思考活動を記録に残すことで、学習評価につなげたりデータ化して次年度以降の授業展開に活かしたりできるため、今後は試験的に取り入れたい。

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