大分県立大分南高等学校2年

乾燥ウミホタルの生物発光実験~相互評価による目的意識の向上~

使用したICT機器

[機器]
タブレットカメラ

[教師が使用したツール]
学習支援ソフト動画
[生徒が使用したツール]
学習支援ソフト動画編集ソフトウェア

学校・学年

高等学校
大分県立大分南高等学校 2年

教科

理科

授業の内容

本校の生徒は,実験を行う際はメモやスケッチという従来の方法のほかに,動画や静止画でも記録をとることが定着している。そこで,実験後は実験レポートの提出のほか,「視聴者の興味を持続させながら実験結果を伝える」ことをねらいとして実験動画も課題として設定している。生徒は実験動画を作成してTeamsの課題で提出,教員はルーブリックに基づき採点し返却,生徒同士では相互評価による採点を行った。相互評価は,教員がTeamsからStreamにアップロードした動画を電子黒板にミラーリングさせ,「次の実験で取り入れたい表現」を意識しながらクラス全体で視聴し,Excelの相互評価シートに点数やコメントを入力していった。シートの集計は,相互評価自動集計セット(福田泰裕,山口県,https://www.fy1203.com/2021/12/01/mutual-evaluation/)を用い,個票として生徒へ返却した。

ICT活用のポイント
(工夫したところ、苦労したところ 、成果、課題)

・動画作成時は操作教授の話し合い場面は多く生まれるが,実験や理論の話し合いの場面こそを設定したかった。そのため,細かな作成ルールは提示せず,「顔や氏名が特定できる素材の禁止」「データの捏造の禁止」「著作権侵害の禁止」を御法度三か条とし,時間やナレーションの有無などは実験動画作成のねらいに沿って各自で判断するように伝えた。そうすると,どのように見せ方を工夫するか,実験がうまくいっていない場合はどのように説明するかなどから,実験の操作の工夫や意図についての話し合いの場面が自然と生まれた。
・授業での相互評価時は,各生徒の動画をあらかじめStream内でオフライン視聴できるようにしておく必要がある。そうすることでどのような状況下でも再生がスムーズになる。

実践を終えての感想

・生徒にとっての「実験動画でのハイライトシーン」は,実験中に最も注意を払って操作したり記録をしたりするところと一致している。動画の作成や相互評価を経験することで,教員から提示された目的と操作に従って実験をしていた姿が,操作の意味や目的を意識しながら主体的に実験を行う姿へと変容した。
・生徒の作成した実験動画を見ると,静かに思考活動を好む傾向にある生徒も積極的に実験に参加し記録をとる様子が伝わってくる内容が多かった。レポート内容や授業中の発言だけでは測ることができない主体性を感じることができた点は大変有意義であった。主体性が相互評価の点数に表れてくるかどうかの検証を引き続き行う必要がある。
・生徒自身がStreamに動画をアップロードし授業時間以外でも視聴し相互評価できるようになると,生徒自身のICT利活用のスキルが上がっていく。そのための指導を丁寧に行いたい。

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