大分県立大分南高等学校2年

音読課題を通して,身近な現象を把握し理解しよう

使用したICT機器

[機器]
タブレット

[教師が使用したツール]
学習支援ソフト
[生徒が使用したツール]
学習支援ソフト

学校・学年

高等学校
大分県立大分南高等学校 2年

教科

理科

授業の内容

本校福祉科の生徒は,2年次に「科学と人間生活」を履修する。学習課題に真摯に取り組む生徒が多く,福祉科専門科目で学んだ分野と重なる範囲も多く,学習内容の定着はとても良い。そこで,教科書のコラムで扱うような「海草の色」「近視と遠視」「消毒,滅菌,殺菌,抗菌のちがい」などの日常に強く結びついた内容が定着すると,理科だけでなく福祉科専門科目の学習意欲の向上にもつながると考えた。コラムを読み考える活動を確実に実施するために,Teamsの音読課題を利用した。音読原稿は教師がWordで作成したものをPDFとして保存し, Teamsの課題で音読原稿に変換した。本来この音読課題は,英文の発音や読み間違い,読むペースがよいかなどを判定する課題であるが,日本語の文章でも読み飛ばしや誤読を判定することができ,生徒が確実に読んだかどうかを教員が把握することができた。

ICT活用のポイント
(工夫したところ、苦労したところ 、成果、課題)

・音読課題は,カメラオフで良いこと,音読した音源をほかの生徒が聞くことは絶対にないこと,多少の雑音が入っても問題なく採点されることをあらかじめ説明しておくと良い。生徒の中で安心感が生まれる。
・家庭にWiFi環境がない場合は,音読原稿をプリントアウトしたものや,コラムが掲載されている鵜教科書のページを伝え,レコーディングはせずに学習するように伝えた。
・デバイスやアプリケーションの不具合が起きている時期に音読課題を設定すると,課題そのものを開けなかったり,課題を開くことができても原稿が展開されなかったりという現象が起きる。不具合が起きても学習できるように,音読原稿は生徒が持っている教科書や副教材に掲載されている文章であると良い。

実践を終えての感想

・Teamsの音読課題は,教員の主観ではなくその正確性や読み飛ばしなどをAIが数値化するため,採点に客観性がある。評価項目のうち,正確性と読み飛ばし回数の項目を利用してルーブリックを作成し,ルーブリックに沿った採点を行った。
・試行回数を無制限にしておくと,生徒が音読した回数を把握できる。1回の音読で課題提出をする生徒が多いと予想していたが,実際は何度も音読している生徒が多かった。普段からルーブリックを確認しながら課題に取り組むことに慣れているため,ルーブリックを確認しながら課題に取り組んでいる姿や,納得がいく成果が得られるまで粘り強く学習する姿勢を読み取ることができた。
・「音読の課題は小学校以来で懐かしい」「気合を入れて読んだ」という感想を述べる生徒が多かった。また,何度も書くより音読の方が覚えられたという声もあった。個人の特性に応じては音読課題はかなり有効かもしれないと感じた。

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