大分県立三重総合高等学校

路線バスはボクらをつなぐ

学校・学年

高等学校
大分県立三重総合高等学校

発表形式

レポート・論文

研究の概要

豊後大野市は少子高齢化により、バスの利用者が減少し、次々と赤字路線は廃線となっている。この交通問題に大分大学、豊後大野市、バス会社等と連携し通学用定期「ジモテキ(地元フリー定期)」を提案。PRのラッピングバスを作製するなど実施に至った。

生徒のアウトプット

実践の背景
豊後大野市は、全国平均の10年先をいく超少子高齢社会に突入している。人口34,339人(20年間で-20%)、65歳以上の人口が全体に占める割合44.0%(20年間で+10%)、市民の10人に4人が65歳以上。この状況で広大なインフラを維持することは難しく、赤字路線の廃線によってJRの便が減ったり、バスが1日数便しかなかったり、目に見える形で私たちの生活環境が変わってきている。もしかしたら、10年後にはJRやバスが豊後大野市から消えるかもしれない。私たちはこれからの社会を生き抜くために豊後大野市の交通問題を解決したいと考えた。
調査・研究内容
活動内容
大分大学経済学部大井尚司教授、大井研究室学生、豊後大野市役所まちづくり推進課、大野竹田バス株式会社、日本工営株式会社と連携し、バスの利用者を増やすために活動した。

1学期 ・豊後大野市役所の皆さんと、どのようなバスなら利用するか話し合った。
    ・バスの体験乗車。道の駅三重をバスで訪れ、バスの乗り方動画を公開した。
    ・三重総合高校の全校生徒を対象にアンケート調査を実施した。
     問1 「バスに乗る回数が少ないのはなぜですか?」
      → ① ほかの移動手段があるから 211人
        ② 運行時間が合わないから   14人
        ③ 便数が少ないから      22人
        ④ 金銭的な余裕がないから   10人
     問2 「どうすればバスを使うようになりますか?」
     改善項目       多く使う  今と同じ  使わない  わからない
運賃が現在よりも安くなる場合   69人    26人   108人    97人
登下校に合わせて運行する場合   60人    19人    132人    96人
バス停が校内にできる場合     40人    29人   128人    107人

・アンケート調査から、料金が安くなればバスの需要が見込めると分析。そこで、いま流行りの「サブスク」を取り入れ、豊後大野市内であれば毎月定額で乗り放題にすることで遊びにも通学にも使える新しい通学用定期「ジモテキ(地元フリー定期)」の導入を大学生と検討。ターゲットを大野町・千歳町・野津町とする。
・「ジモテキ」をPRするためのラッピングバスのデザインを考案。
・「ちょっとよって屋」オープン。特産品等を販売することで地域のPR。

 2学期  ・日本モビリティ・マネジメント会議においてマネジメント賞を受賞。
     ・研究成果を生徒商業研究発表大会で発表。準優勝を受賞。
     ・「ジモテキ」をPRするための動画を作成。Youtubeで公開(再生回数412回)
     ・「ジモテキ」をPRするために乗車券のデザインを月替わりで作成。
     ・JRの利用状況と豊後竹田市を知るためのフィールドワークを実施。観光を核に都
      市づくりがされている竹田市が、コロナで深刻な影響を受けていることを学ぶ。
     ・大野町、千歳町、野津町の生徒を対象に、バスについてヒアリング調査を実施。
結論
・多くの方々のお力を借り、「ジモテキ」の販売を実現できた。
・バス利用者がいなかった大野町からバスでの通学者が増えた。
・他学年、他学科とも連携することができた。
今後の課題
・新型コロナの感染拡大で大学・市役所との連携が難しかった。
・「ジモテキ」の購入者が9名と伸び悩んでいる。これは、今の生徒がすでに原付を購入しているからだと考えられる。しかし、来年の新入生からは、バスで通うか原付を買うかという選択肢が生まれるので、利用者の増加が期待できる。
・中学3年生へのPRを予定していたが、オープンスクールの中止で出来なかった。
・バスの体験乗車イベントの参加者が0人のため中止になった。全校生徒に2回案内したが、校内でのPRが不足していた。

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