大分県立佐伯鶴城高等学校
身近な菌を自然のもので抗菌しよう
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学校・学年
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高等学校
大分県立佐伯鶴城高等学校
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発表形式
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レポート・論文
研究の概要
我々の祖先は、植物の葉で食べ物を包んでおり、現在も葉っぱで包んだ食べ物はたくさんある。
そこで、身近なものの抗菌作用について調査した。茶葉の中でも、紅茶と緑茶が最も抗菌作用が強く、また、茶葉と茶液では茶液の方が抗菌作用が強いことがわかった。
生徒のアウトプット
- 実践の背景
- 今日、日本では食品ロスが問題となっている。食品ロスの約50%が家庭から出されている。この食品ロスを減らすために家庭にあるものを利用して保存期間を長くする方法を提案する。
- 調査・研究内容
- 実験1 〔製造過程の違うお茶で抗菌作用の違いについて調べる〕
方法:寒天培地に指の菌をつけ、その上に10gの茶葉を80℃、100mlのお湯で煮だしたお茶の葉と、その液を染み込ませたろ紙を、緑茶(不発酵茶)、ウーロン茶(半発酵茶)、紅茶(発酵茶)を使って実験をする。
結果 紅茶の抗菌作用が一番強かった。
実験2 〔葉と液の抗菌作用の違いについて調べる〕
方法:菌の数を調節でき、菌の繁殖力の強い酵母菌と土壌菌を塗った寒天培地の上に煮詰めた紅茶の葉と液を染み込ませたペーパーディスクを真ん中に置く。その後25℃の保温器で観察する。
結果 紅茶の液と葉の抗菌作用の違いは見られなかった。
実験3 〔緑茶と紅茶の抗菌作用を調べる〕
方法:実験2と同じ方法で調べる。
→実験1では、やり方が不十分だったので再度確認した。
結果 抗菌作用の差は見られなかった。
実験4 〔培地をご飯に変えて緑茶と紅茶の抗菌作用の違いを調べる〕
方法:緑茶や紅茶の液でそれぞれ一緒に炊いたご飯と、白ご飯に緑茶の葉や紅茶の葉をそれぞれ混ぜたものを用意し、保温室(30℃)に入れ観察する。
考察
葉と混ぜたご飯にカビが生えた理由として、ご飯の周りにお茶の抗菌成分がコーティングされていなかった場所からカビが生えた。一方お茶の液ではご飯をまんべんなくコーティングしていたのでカビは生えなかった。また液が一つだけにカビが生えたのは液が均一にコーティングされていなかったからではないかと考察した。 - 結論
- 緑茶に比べて紅茶の方が抗菌作用があったが、実際に食べてみたところ紅茶は苦みが強いことがわかった。食べることを考えて苦みが少ない緑茶を使い、抗菌作用を持つことが可能な最低の濃度を調べる。そして、味を変えることなく、抗菌作用を持つ緑茶の葉を使った植物由来の体に優しい防腐剤を作ることを目指す。
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