大分県立大分舞鶴高等学校2年
勉強用アプリケーションの設計及び新技術の考案
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学校・学年
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高等学校
大分県立大分舞鶴高等学校
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発表形式
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レポート・論文
研究の概要
ネットワーク社会となった今日では、たくさんの機能がインターネット上に存在している。その中で、我々はアプリケーション(以下アプリ)に着目し、勉強用アプリケーションへの更なる可能性を検討した。そこで我々は、大分舞鶴高校第2学年に対してアンケート調査を実施し、その認知度を調べた。その結果、アプリケーションを使用している人数は我々の予想よりも少なく、ニーズに対応したアプリが少ないことがわかった。そこで我々アプリ班は、高校生の目線を生かした理想のアプリケーションを設計するべく、フローチャート作成やワイヤーフレームによる設計を通したアプリケーションの骨組みの作成を行うことにした。また、その過程で必要となった新たな技術についての研究も並行して行った。
生徒のアウトプット
- 実践の背景
- 概要
ネットワーク社会となった今日では、たくさんの機能がインターネット上に存在している。その中で、我々はアプリケーション(以下アプリ)に着目し、勉強用アプリケーションへの更なる可能性を検討した。そこで我々は、大分舞鶴高校第2学年に対してアンケート調査を実施し、その認知度を調べた。その結果、アプリケーションを使用している人数は我々の予想よりも少なく、ニーズに対応したアプリが少ないことがわかった。そこで我々アプリ班は、高校生の目線を生かした理想のアプリケーションを設計するべく、フローチャート作成やワイヤーフレームによる設計を通したアプリケーションの骨組みの作成を行うことにした。また、その過程で必要となった新たな技術についての研究も並行して行った。
研究の動機と目的
近年、スマートフォンの普及によって小中高生の勉強時間の減少、そして学力の低下が問題になっている。加えて、舞鶴高校生は部活動等で時間を割かれ,効率的な時間の使い方を考える必要があると考え,私たちはアプリに注目した。現在、インターネットの普及によって様々なアプリが開発され、ゲームや書籍,音楽など多くのアプリが開発され,多くの人が毎日使用している。それに比べると,勉強用アプリは認知されておらずあまり使用されていない。
そこで,私たちは勉強用のアプリを設計し、高校生としての目線を生かし、独自のアイデアを取り入れて製作することを目指した。しかし、私たちはプログラミングについての知識・技術が乏しいので、アプリを作成するのは難しいと判断し、アプリを作成する直前の状態を目指すことにした。 - 調査・研究内容
- 研究方法
1.アンケート調査
(1)目的
勉強用アプリの認知度がどれくらいか、どのようなアプリが主に使用されているか、また、ユーザーがどのような機能を求めているかを調べるため。
(2)方法
以下2項目について舞鶴高校2年生(約320名中289名から回答が得られた)にアンケートを取った。
①現在勉強用アプリを使用しているか
②どのような勉強アプリがあったら便利か
(3)結果
①全体の34%が勉強用アプリを使用していた。
②現在使用するアプリに対しての改善要望はほぼなかった
<ニーズ>
・学習時間管理(学習計画)
・友達の勉強時間がわかる
・単語帳機能
・携帯使用時間の管理
・相互質問機能
これらの機能は既存のアプリにも存在するが、さまざまなアプリに点在しているため、利便性が不足していた。
(4)考察
アンケート調査の結果、成績上位者に勉強用アプリ使用者が多かったことが分かったため、勉強用アプリは成績向上につながるといえると考えられる。また、私たち高校生のニーズにあうアプリが少ないことも分かった。ニーズに合わせて普及率を上げるべきだと考えた。
2.フローチャート作成
(1)目的
プロセスを可視化し、どんな順番で、どのような処理を したらよいか考えるため。
(2)内容・結果
機能として、以下の4つに着目し、フローチャートを制作した。
・学習時間管理
・相互質問機能
・単語帳機能
・短時間集中機能
勉強と同時に勉強時間を記録するので、自分の頑張りがより目に見えるようになる。
音声認識でこれから行う教材や科目を選択し、時間のない中で効率化を図る。
オンライン上で相互質問することで、他人と与えられた課題について議論する場を簡単に得ることができるといいう利点のあるシステムの制作を試みた。
一々キーボードを打ち込んでいては集中が途切れてしまうので勉強をスムーズに行えないので問題、解説を写真によって行えるようにするという工夫をした。
従来のアプリケーションにあった機能に加え、これまでに無かった、写真からの文字認証に挑戦した。
長時間勉強を続けていると集中力が損なわれ、さらに目の疲労などが溜まってしまう。そこで勉強と適度な休憩を繰り返すことによって集中力の維持と疲労軽減を実現したいと考えた。
あらかじめ勉強時間を設定し、アラーム機能を用いて、より集中できる勉強を図った。
(3)考察
・学習時間管理について
音声認識がどのような仕組みになっていて、アプリの中で用いることができるものなのかを調べる必要があると考えた。(既存のアプリに音声認識のあるものが少ないため) また、より個人の頑張りを目に見えるものにして、モチベーションの向上や、維持につなげようと考えた。
・相互質問機能について
どのようにして、間違った回答の投稿に関して対応していくかが今後の改善点であると考えた。
・単語帳機能について
写真画像から単語を読み取る機能を考えたが、今日の画像処理技術で手書きの乱雑な文字などに対して、正確に読み取ることができるのか調べる必要があると考えた。
・短時間集中機能について
この機能に関しては、他の機能に比べ比較的プログラムするのが簡単だと考えた。
3.ワイヤーフレーム作成
(1)目的
作成したフローチャートをもとに、より具体的なアプリケーションの設計図を作るためにパワーポイントを用いてデモンストレーションを作成しフローチャート作成時に発見できなかった改善点を発見するため。
(2)内容・結果
フローチャートを作成した以下の四つの機能に着目してアプリケーションのデモンストレーションを作った。
・学習時間管理
・相互質問機能
・単語帳機能.
・短時間集中機能
(3)考察
ワイヤーフレームを作りアプリケーションの全体が見えるようになった。その結果、自分たちが必要だと感じた新技術をどのように取り入れるかを考えるにあたって、その技術の仕組みを調べる必要があると考えた。
<必要な新技術について>
・音声認識
音声認識とは、人間の声を聞いて可能な限り意味の通る文章に書き起こすまでのプロセスを指す。
「明日の天気は?」と人間が話しても、コンピューターにとってはただの“空気の震え”である。これを、前後の文脈も考慮しながら「明日の天気は(ア・シ・タ・ノ・テ・ン・キ・ハ)?」という「音素」の連なりにまで整える。これが音声認識のおおまかな流れだ。
音素の特定には、事前に収録した大量の音声サンプルデータを参考にする。人間の発音には音素ごとに特徴がある。例えば「い」は低い音域の、「え」は高い音域の音量が大きい。ただ、話し手の性別や録音環境などによっても音の高低や波形には差が出るため、できるだけ多くの音声サンプルを用意することで、精度を高める。
また、人間の脳のように多層的に情報処理する「ディープラーニング(深層学習)」の導入により、誤認識率は大幅に低下した。
Intelligent OCR(光学文字認識)
・高精度なスキャン画像補正
画像データの取り込みで必ず発生する画像のズレ補機能だけでなく、FAXデータなどを、クリーンアップするなど、数多くの画像補正機能を自動で最適実行。
さらに人工知能が自動で書類の読み取り対象領域を抽出する。
・高速処理のための、分散コンピューティング
一瞬でも早く業務を進めるために最適化されたGPU(画像処理装置)の構成と、分散処理を実現する。
・人工知能導入の強みを活かす Auto scaning
人工知能は使えば使うほど賢くなるよう、最適に構成されている。
(4)考察
音声認識や文字認識を詳しく調べてみると、どちらも人工知能を用いているので、その技術の仕組みをさらに詳しく研究するには人工知能についても研究する必要がある。また、一般に使われているNarrow AI(特化型人工知能)ではなく、ディープラーニングなどが含まれるArtificial General Intelligence(凡用人工知能)についても研究する。
- 結論
- 勉強用アプリケーションを設計するにあたって、たくさんの学習に便利な機能のあるアプリケーションが存在しているが、その機能が別々のアプリにあり、一つにまとまっているアプリケーションがない。そのため、高校生などのユーザーのニーズと一致した効率の良いアプリケーションがないことが分かった。また、新しい技術を取り入れる際に、その技術についての理解がまだないためにアプリケーション一つのもの中に動作が重くならず、バグなどが発生しないかは実際に制作してないと分からないが、技術自体はサーバーなどを経由するものであるため、容量は大きくならないと考えられる。
- 今後の課題
- 今回は、実際にアプリケーションを制作できなかったため、使用者の意見を聞き、改善点を発見することができなかった。今後は、今回作成したワイヤーフレームを反映させたアプリケーションについての技術開発をしていきたい。また、アプリケーションに搭載したかった技術を実際に運用するときにサーバーやCPUにかかる具体的な負荷を想定することができなかったのでそれらも踏まえた勉強用アプリケーションの研究をしていきたい。
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