大分県立鶴崎工業高等学校
コンピュータ制御を活用した無人配送ロボットの製作と研究~配布物やスマホボックスの自動配送ロボットの開発~
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学校・学年
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高等学校
大分県立鶴崎工業高等学校
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発表形式
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レポート・論文
研究の概要
1.学校での課題の調査と先端技術による解決策を検討
2.研究目標の設定
3.製作
生徒のアウトプット
- 実践の背景
- Society 5.0 の到来により、AI や IoT といった先 端技術で世の中はより豊かで便利になっていくこ とが予想される。私たちは、この Society 5.0 時代を生き抜いてい く世代として、先端技術と如何に共存していくか、 これまで電気科で学んだ基礎知識を応用して先端 技術との結び付けができないかなどを考えていく 中でこのテーマを設定した。 また、地域課題解決を視野にいれ SDGsの目標達 成に向けた取り組みを行うことにした。
- 調査・研究内容
- 研究過程
①学校での課題を調査
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②先端技術による解決策を検討
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③テーマ設定
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④調査や実験による基礎知識・技術の習得
↓
⑥製作・自動搬送ロボットの製作
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⑦結果・考察
(完成品の検証・評価・今後の展望)
学校での課題の調査と先端技術による解決策 を検討
私たちは SDGs の8番「働きがいも経済成長も」 と 9 番「産業と技術革新の基盤を作ろう」に着目し、 目標実現のためにまずは身の回りの事から私たち ができることを考えた。
学校での課題を調べたところ「配布物を取りに行 くのが遅くて帰りが遅くなる」や「朝、先生たちが スマホをボックスに入れてもって職員室まで行く のが大変そう」など様々な課題が見つかった。
そこで、重い荷物を代わりに搬送するロボットが あれば負担が軽減し、今まで苦労していたことを解 決できるのではないかと考えた。
今よりももっと円滑に物事を進めることができ れば、ストレスなく仕事に取り組むことが可能にな ったり、勉強を集中できたり SDGs の目標の 8 番目 の目標にある「働きがいも経済成長も」と 9 番目の
「産業と技術革新の基盤を作ろう」の実現に結びつ くことができるのではないかと考えた。 図3-1 開発するロボットのイメージ
研究目標の設定
(1)基礎的な技術・技能の習得の目標 ・電子回路
・マイコン
・CAD 設計
それぞれの基礎技術・技能を習得する。
(2)実践的な技術・技能の習得
Arduino、 raspberry pi、 Julius を組み合 わせた音声認識システム構築による 実践的な 技術・技能の取得
調査や実験による基礎知識・技術の習得
(1)音声認識に最適なマイコンの検証
(2)自動走行についての研究
(3)3次元 CAD の技術習得
製作
(1)車体組立
①CAD で実習装置の図面製作
SOLIDWORKS を使用して配達ロボットを設計した。
②加工
加工では、モータ取付けベースの裁断、穴あけを行 った。
③組立
タイヤはメカナムホイールを使用したので、上から 見たとき X 字になるように向きや位置を考慮し取り付けた。
(2)音声認識について
①マイクから音声信号を受け取り、言語を julius ソフトウェアが認識する。
② 認識した julius のプログラムを Raspberry Pi 3 で受け取り、Raspberry Pi で出力する。
③ Raspberry Pi と USB でシリアル通信で接続し てある Arduino で受け取り、出力(ロボットの動作)をする。
ここでは、Raspberry Pi は、Arduino のハードウ ェアと、julius の信号を受け取り Arduino に信号 を流す役割となる。
Raspberry Pi で特定の言葉の音声を感知
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Arduino にシリアル通信で信号を発信
↓
電子回路の動作
(3)電子回路・配線・プログラムについて
① 電子回路・配線
モータ 4 個を制御するためのリレー回路とライ ンを認識する赤外線センサ2個を Arduino で制御 するための電子回路組立てと配線を行った。
② 自動運転プログラム(Arduino)
車体には赤外線センサが2つ搭載されており、例 えば左の赤外線センサが黒のライン上で反応したとき右モータが回転して左モータが停止されると いう仕組みになっています。逆側のセンサも同様の 仕組みとなっている。 - 結論
- 結果
(1)音声認識でロボットを操作できた。
(2)ライントレースで自動走行ができた。
課題
【課題1】
音声認識において誤作動が起きる。
例〉『前進』『左』などに比べて『右』等の比較的短 い音を騒音などで誤認識する。
【解決策1】
命令言語を長くすることで、短い音を拾わず誤作動 を防ぐ。
例〉右回転の命令を『右』から『右向け右』に変更 する。
【課題2】
raspberry pi からプログラムを実行する際に、モ ニターとキーボードなど周辺機器は必要。 【解決策2】
・OS が起動時にプログラムがスタートできるよう にスクリプトを作成する。
・小型の周辺機器をロボットに搭載する。
【課題3】
目的地まで搬送できるが、出発地へ戻ることが できない。
【解決策3】
後ろにセンサを追加し、バックでもライントレース ができるようにする。 - 今後の課題
- 今後の展望
・AI による画像認
・階段を上がるための機構
・人を運べるレベル車体
(保健室へ搬送)
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